、マーチ、キューブでは他社に先駆けてリサイクル可能率95%を達成するなど将来の使用済み自動車のリサイクル率の向上を目指したリサイクル技術の開発に取り組んでいる。Р両者に共通していることは、環境保全を経営の中核として捉え、積極的にその対策を踏まえた経営を行っていると言うことである。また、環境経営を行っていることを消費者にアピールすることにより、企業のイメージアップにもつながっている。両者のような業界を代表する大企業が先導となることで、社会全体に環境経営の理念が浸透していくことが期待される。Р第5章あとがきР ここ数年の間に環境経営を行う企業が急速に増えてきた。本当の意味での環境経営の実現というのは、環境保全と利益創出とが目に見えて行えるものとなったときであろう。自然環境というものは地球上で生活するすべての生き物にとってかけがえのないものである。だが、私たち人間は生きていくうえで、便利で快適な生活を望み、多くの自然環境を破壊してきた。その結果のひとつが地球温暖化という問題である。破壊された自然環境を取り戻すために我々人類に何ができるであろうか。かといって、いまさら便利で快適な生活を捨て去ることはもはやできないであろう。現在の生活を保ちつつ、環境を保全していくために考えられたのが、環境経営である。環境経営は試行錯誤の段階であるため、間違った捉えられ方をしたり、改善すべきところもまだまだ多くある。環境税の導入に際しても、日本経団連の反対などによりなかなかうまく進まなかったり、京都議定書に関しても、全先進国による温暖化ガス排出量の3分の1以上を占めているアメリカとオーストラリアが京都議定書に批准していなかったりと、まだまだ理解されがたいものであるというのも実情である。自然環境には国境がないし、地球はひとつしかない。これを理解し、国や業界といった枠を超越した協力が必要であると思われる。
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